主な登場人物



羽鷲 和真 《わしゅう かずまさ》


主人公。二丿隊、副隊長補佐。24歳。嘗て、護戈一丿隊隊長だった羽鷲義雅を叔父に持つ。副隊長の黒羽とは幼なじみの親友同士。剣の腕は良く体力にも優れるが、少々、素行に問題あり。実家に預かっていた沙々女を幼少の頃より知るものの、傍より遠ざける傾向にある。

黒羽 倫悠 《くろば みちひさ》


二丿隊副隊長。25歳。剣に優れ、穏やかな性格から隊士たちより慕われ、護戈としての将来も嘱望されている。 羽鷲家に預けられていた幼い頃から知る沙々女の事を、密かに気にしている。

沙々女 《ささめ》


二丿隊に住み込みで隊士達の世話をしている娘。17歳。珍しい翡翠色の瞳を持ち容姿も美しいが、存在が薄く表情を持たない。 幼い頃、和真の叔父である羽鷲義雅に連れられて羽鷲家に預けられていた事もあったが、出自に不明な点が多い。

菊 《きく》


黒羽倫悠の実家に奉公する娘。17歳。倫悠の事を慕っているが、想いが伝わらず悩んでいる。明るい性格で、二丿隊につかいに訪れる来る事も多い為、隊士達の間で知る者も多い。同い年の沙々女を、少々強引なまでに友達としてかまう。

羽鷲 義雅 《わしゅう よしまさ》


人格、剣の腕に共に優れた元一丿隊隊長。和真の叔父にあたる。沙々女を羽鷲家へと連れてきたが、経緯などの詳細は不明のまま、任務中あやかしの前に倒れる。

太吉 《たきち》


憧れていた護戈になれず、日雇いの『引手』として日々、鬱々と過す青年。

賦豈 《ふがい》


護戈総帥。普段は亞所にて全隊の指揮管理を執り行っている。八十にもなろうかという年齢だが眼光鋭く、かくしゃくとした老人。護戈衆現役時代の数々の武勇伝も語られる人物。



二丿隊 《ふのたい》 ……都東を一丿隊と共に守護地域とする。隊紋は雲。

稲田 享輔 《いなだ きょうすけ》


二丿隊隊長。飄々としていい加減な性格と取られやすいが、隊長としての信頼は厚い。嘗て、七丿隊にて羽鷲義雅と共に務めた事もある。羽鷲家へ引取られる以前の沙々女を知り、二丿隊で預かりながら後見として保護者的な役割もしている。過去の出来事については口も重く語ろうとしない。左腕に深い傷痕が残り、握力がほとんどない。その為、たまに日常の生活面で苦労もしている。

佐久間 修久 《さくま ながひさ》・多賀井 武満 《たかい たけみつ》・旭日 匡哉 《あさひ きょうや》・山瀬 朋則《やませ とものり》


二丿隊隊士。山瀬は治療班班長で、二丿隊隊士達には『先生』と呼ばれている。他にも二十数名の隊士が所属。

はつ ・源八 ・すゑ ・加世


二丿隊 寮(宿舎)の隊士達の世話係。



 一丿隊 《ひのたい》 ……都東を二丿隊と共に守護地域とする。隊紋は立波。

水無瀬 斎 《みなせ いつき》


一丿隊隊長。護戈の隊の中で、二人いる女性隊長の一人。女護戈衆一と言われる美麗な容姿を持つが、男勝りの性格と気風の良さで隊を纏め上げる。組織立った行動を得意とし、長けた人脈づくりを生かした情報収集能力にも優れる。

沢木 高遠 《さわき たかとお》


一丿隊副隊長。隊長である水無瀬に影のように付き従い、滅多に己を主張する事はない。腕は良く職務にも忠実だが、寡黙であり、過去の経歴などに秘する部分も多い。




 三丿隊 《みのたい》 ……都西を四丿隊と共に守護地域とする。隊紋は水車《みずぐるま》。

白木 宋樹 《しらき そうじゅ》


三丿隊隊長。博識であり、武器の開発制作を趣味とする、護戈の中でも変り種と言われる隊長。相手によって得物を使い分け、小枝一本も武器とできる器用さを持つ。楽を好む風流人でもあるが、なによりも己の好みを第一とする変わり者でもある。

川中 鈴之進 《かわなか すずのしん》


三丿隊副隊長。人より大柄な体格ながら、気は優しい護戈には珍しいほどの常識人。隊長の白木にはいつも振り回され、転属願をいつ出そうかと悩んでいる。




 四丿隊 《よのたい》 ……都西を三丿隊と共に守護地域とする。隊紋は四つ稲妻菱。

峰唐山 顕光 《ほうとうざん あきみつ》


四丿隊隊長。峰唐山は北の雲宕山脈で最も高く険しい山の名であり、いつしかそう呼ばれるようになったのをそのまま姓とした。人並外れた強靱な肉体と護戈の中でも屈指の強さを誇る隊長。闘いを好み、柄の悪さも護戈随一。人相悪く、一目見ただけで腰を抜かす者もいる。女好きでもあり、和真とは遊廓の太夫を巡っての争いもある。居着いた和仁口惣三郎の保護者役でもある。

和仁口 惣三郎 《わにぐち そうざぶろう》


両親をあやかしに殺され、護戈になりたいと四丿隊に押しかけて居着いた少年。十二歳という年齢に似合わず頭の回転が早く、隊士ではないにもかかわらず、力押しの多い四丿隊では参謀的な役割さえ担う。なんだかんだ言いながらも峰唐山に懐いている。




 七丿隊 《ななのたい》 ……国西部を守護地域とする。隊紋は雪輪。

榊 夏水 《さかき なつみ》


七丿隊隊長。護戈隊長の中では最古参であり、水無瀬と共に女性でありながら隊長を務める。隊士達からの人望厚く、『おふくろさん』と呼ばれ慕われている。彼女の下より幾人もの優秀な人材が輩出されており、羽鷲義雅、稲田も嘗て在籍して師と仰いでいた。

貝塚 彰信 《かいづか あきのぶ》


七丿隊副隊長。嘗ては羽鷲義雅の班で稲田と共に務めていた経緯もあり、稲田とは現在でも個人的に親交を持つ。隊長に成り得る実力者ながら、榊に言わせれば、稲田含めて『やんちゃ坊主』。

笹霧 《さぎり》


七丿隊隊士。一族で国を渡ってきた移民の三世にあたり、一族に伝わる独自の文化を継承しつつ青藍の民として護戈を勤める。



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